カワトンボ 水彩画

 

昆虫とは

①頭・胸・腹の3つに分かれている

②足が6本ある

③羽が4枚ある

というのが特徴だそうです。

例外もあるようですが、

このことが、共通項だというのは知りませんでした。

きっと、むかしむかし、学校で習ったとは思うけれど・・・。

 

なにしろ前脚のことを

感覚的に『手』だと思っていた

恐るべし昆虫初心者なので

何を調べても、新たに知ることばかりです。

 

胸部や腹部のことは、スケッチラボで観察したので

今日は画像をもとに

翅(はね)をあらためて観察することにしました。

 

前側の翅は半透明で、

後ろ側の翅はマットなダークブラウンとメタリックなグリーン。

このコントラストに惹かれたので

翅は私にとって重要です。

 

翅には、翅脈という筋が網目状にあり、翅の骨組みの役目をしているそうです。

 

じっと見ていると、主脈、側脈、細脈がきれいに残った『透かし葉』のようです。

 

一つ一つの翅脈を眼で追いながら、デッサンすると

美しい有機的曲線に見惚れます。

金彩のレリーフを描くように美しく仕上げたい・・・。

 

 

2018.7.7  

 

さぁ、いよいよ昆虫第一号です。

 

まずは、デッサンしたものを

水彩紙にトレースします。

 

このカワトンボは縦横ともに6cmちょっとくらいの

華奢なトンボなので

翅脈は下絵の段階では

ある程度省略し、

色をのせた段階でどこまで描くか考えることにしました。

 

特に前翅(前側のハネ)の翅脈は

画像を拡大すれば無数に見えますが

翅脈を忠実に描くことにより

鉛筆の色が紙面上に残り、黒ずんでしまうことを考えると

薄く軽い翅の雰囲気を大切にしたいなと思いました。

 

後翅(下側のハネ)のメタリックなグリーンの部分は

メラメラ感を慎重に表現したいので

とりあえずマスキングしておきます。

 

まずは脚を描き

翅の翅室を覆っているベースになる色をつくり

翅全体に塗ります。

 

 

2018.7.18

 

次に体の色を決めます。

 

一見、黒っぽいのですが

光が当たるとメタリックグリーンの光沢があるので

まずはベースをグリーンで塗ります。

 

この時、トンボの眼の光っている部分には色が入らないよう

先に細かい点のマスキングをしておきます。

 

陰影をつけて

立体感や光沢感を表します。

 

 

2018.7.21

 

後翅はダークブラウンの部分とメタリックグリーンの部分と半透明な部分に分かれていますが

翅脈上の、同じ流れの上にあるので

ダークブラウンの部分にも翅脈の陰影を施しておきます。

 

 

2018.7.24

 

 

カワトンボ(インドネシア)Atelier-Sachic
カワトンボ(インドネシア)Atelier-Sachic

 

夢中になってくると、途中で写真を撮ることを忘れてしまい、気づいたら完成していました。

途中工程は、残念ながら写真がありませんが、文章で解説してみます。 

 

 

まずは、ダークブラウンの部分を埋めていきます。

透明水彩なので、先に施した陰影は透けて見えてくれます。

 

次は、いよいよ後翅のメタリックグリーンの部分に

取り掛かります。

 

マスキングを剥がし、グリーンを塗っていきます。

 

メラメラ感が出るよう均等には塗らず

『輝いてますから~』という気持ちで

ゆらめくように明暗をつけます。

こういう、おまじないの様な心の呼びかけは

結構大切な気がします。

 

翅室の境も整えていきます。

 

これまで描いてきた植物には

こういったメタリックな輝きは無いので

初チャレンジはうまくいくか不安でしたが、

なんとか好みの感じにメラメラしてくれました。

 

最後に、下絵にはなかった前翅の翅脈を慎重に描き足します。

 

前翅と後翅の質感の違いが印象的なので

翅脈の数より、雰囲気にこだわりました。

 

眼のマスキングも剥がし、全体を整えたら

インドネシアよりはるばるいらしたカワトンボ

完成です!

 

 

2018.7.27