ばら(プラムダンディ) 水彩画

バラ 水彩画
ばら(プラムダンディ) Atelier-Sachic

 

10年くらい育てている家のバラです。

プラムダンディという名の

モダンローズです。

 

1年に2回、春と秋に花をつけます。

 

ベランダでの鉢栽培で

お薬などはあげていないため

毎年、春の花はいろんな虫や病気で

早々に切り詰めなければならず

春にまともに咲いている状態を見るのは久しぶりです。

 

やはり、今年は、お花の当たり年です。

 

さすがにバラの鉢は大きく

机の上にもってくることはできず

切り花で描いてみました。

 

この1か月の悪戦苦闘は

ぼちぼちつづります。

まずは、お披露目です!

 

 

2017.6.16 

 

 


プラムダンディ/ばら デッサン 1

 

5月のはじめ、

ちょうどツリガネソウを描き終えた頃、

我が家のバラは咲き始めました。

 

ここ数年ないくらいに

たくさんのお花をつけていたので、

描いてあげないわけにはいかないなぁと思い、

バラは少し敷居が高かったのですが、

まずはデッサンにとりかかりました。

 

これまで描いた、ニチニチソウ、シクラメン、

ツリガネソウなどとは比べ物にならない花びらの数。

意気込んで描き始めるも、

お花の変化の速さが半端ないのです。

 

ツリガネソウの時に、

昨日より、今日がきれいとかなんとか書いておりますが・・・

バラの花の変化は、

日単位ではなく、時間単位でもなく、分単位なのです。

 

お花を机の上に置き、外寸をはかり、あたりをつけたら、

花芯の回りの花びらから順番に描くのですが、

途中から1周前の花びらとの位置関係がおかしくなってきます。

描いているうちに開花が進み、

既に描き終えた内側の何周かの花びらは、

今はもう角度が変わっているという始末。

 

花びらの枚数は40枚弱。

私の場合、お花一輪デッサンするのに1時間かかってしまいます。

 

試行錯誤の結果、

描き始めにまず写真を撮り、

途中多少花びらの重なり具合が違ってきても、とにかく描き続け、

一輪仕上げてしまう。

最後に、終了時点の写真も撮ります。

がむしゃらなデッサンが終わったら、

PCにビフォーアフターの写真を並べ、

自分のデッサンを最終的に整えることにしました。

写真のある時代に生まれてよかったです。

 

 

2017.6.17

 


プラムダンディ/ばら デッサン 2

 

お花のデッサンを終えると、

引き続き茎や葉っぱをデッサンします。

 

ここで大切なのが植物の知識。

 

デッサンはあるがままに描くものとはいえ、

自然に見たままだと、見落とすことも多く、

“どうなっているんだろう?”と疑問をもったら、

すかさず虫眼鏡を取り出し観察、

それでもよくわからなければ、

写真に撮ってPCで拡大し観察します。

 

この際、植物学の本など参考図書で

図解されているものを見ると

より明確にわかりますし

ついでに器官の名称も覚えられます。

 

最初に植物用語を勉強しようとすると

知らないことばかりで卒倒しそうですが

描きながら、出会ったもののことを調べていくと

興味の持ち方も違いますし

何しろ、本物が目の前にあるわけですから

理解度が違う気がします。

 

バラはお花の付け根にある包葉、次に三枚葉、

そして五枚葉という順番で葉がつきます。

腋芽という新しい芽(次にお花がつく場所)が出てくるのは、

五枚葉の付け根なので、

構図としては五枚葉まで描こうと思いました。

 

鉢花の時と違い、花瓶にさしたお花は、

お花の重さで傾きやすく自分の望む角度で固定するのが難しく

左手でいい角度に固定し、右手で描いたりしていると

描いているうちに左手が自分にどんどん近くなって

見ている角度が変わってきたり

なんだか必死なのでした。

 

今後は切り花の固定の仕方も一工夫したいなぁと思いました。

 

 

2017.6.21

 

 


プラムダンディ/ばら お花の彩色

 

デッサンしたものをトレースして本番の用紙に

うつしたら、いよいよ、彩色です。

 

ここまでで、既に数日過ぎてしまったので

描いたお花はとうに別の姿に変容しています。

 

なので、常に新しく咲いたお花を目の前に置き

色の感じをつかみます。

 

写真はそのものの色を再現することは難しいため

陰影の参考にする程度に使用します。

特に、赤系の色は、

実際よりあざやかに写ってしまうので、

写真としては美しくても

本物とは違う色なのです。

 

せっかく自分で描いているので、

その花本来の美しさを残してあげるためにも

色づくりにはこだわりたいところです。

 

ただ、このプラムダンディというお花、

デッサンの際に、開花の速度のことに触れましたが

開花に伴いものすごい勢いで色が退色していきます。

お花屋さんのバラほど栄養過多に育てていないからなのか

濃い色だから退色が目立ってしまうのか

原因はわかりませんが、

今がキレイ!という時間は非常に短いのです。

 

 

2017.6.23

 

 


プラムダンディ/ばら グリーンの彩色

 

お花の彩色が終わったら、

今度はグリーンの部分です。

 

光のあたり方によっても色は変わりますが

3枚葉と5枚葉でも色は異なります。

生まれたタイミングで

これまで浴びてきた太陽の光の量は違うからか

3枚葉の方が濃く、硬い感じがします。

 

自分が感じたことは

なるべく表現したいなぁと思っています。

 

お花だけだった時より

グリーンが入っていると

ぐんとイキイキした感じになります。

やっぱり『葉あっての花』なのです。

 

全ての部分に彩色をほどこすと

ここからは全体のバランスを見ながら

微調整の連続です。

単体では良くても、全体だとよろしくないとか

絵だけ見てるとよくても

本物を見るとまだまだ弱いとか

できる範囲で調整していきます。

 

完成したと思った翌日

再び筆を加えることは

たびたびです。

 

 

2017.6.27

 

 


プラムダンディ/ばら 観察

 

植物は日々成長し続け

お花の時期は限られているので

描いている期間は

『お花があるうちに描き上げなくては・・・』

という気持ちがとにかく強く

あまり細かいところまで調べる余裕が

まだありません。

 

そのかわり

一定の完成をみたら

あらためてお花のことを調べたりします。

 

プラムダンディは八重だけど

花びらはいったい何枚あるのだろう・・・?

 

並べてみると42枚ありました。

 

突然変異などで、一定ではないようなので

うちのこの子は42枚という解釈をしています。

 

また、八重の花のことを調べていると

『雄しべの花弁化』という説明に出会ったりします。

 

実際に花弁を1枚1枚分解していくと

最後の数枚の付け根は

ほぼ雄しべと変わらない細い糸状(花糸)で

先の方は葯(花粉のところ)ではなく

花弁みたいになっているのがわかります。

雄しべと花弁は全くの別物と思っていたけど

なるほどね・・・と思うわけです。

 

また、今回の構図には描かれなかった

萼や裏葉の情報など知り得たことは

観察ノートに記録して

使用した絵の具のことなどと一緒に整理しています。

 

こういうことを少しづつ続けていくことによって

植物の見え方、とらえ方が変わってくるのかもなぁ・・・と

実感しています。

 

 

2017.7.2