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四季のうつろい

 

ずっと以前は紅葉/黄葉はあまり好きではなかった

 

葉でいうなら新緑

花で言うなら咲き始めの

フレッシュでイキイキとしたものが好きだった

 

シブいとか

逆にカッコイイとか

変化球的にいいなと思うことはあっても

ストレートに紅葉を好きとは思わなかった

 

そんな私も最近は紅葉が

気持ちにしっくりくるようになってきた

 

暖かみのあるこっくりとした色合いが

今の私の好みだ

 

一時間後だと

陽の光はさらに傾き

赤は茶褐色に変化し

寒さも増すためか

すこし寂しさも感じてしまう

 

それでも

何年かしたら

今度はそこにも新たな美や価値を見い出せるように

なっているかもしれない

 

人の一生はしばしば四季に例えられる

 

自分が秋の地点にきたり

冬の地点にきたりするのはなんとなく不安だ

 

だけど

新緑も

花咲き誇る様子も

紅葉も好きになってきたように

秋の人にも、冬の人にも

春や夏のすべてが内包されているとしたら

年を重ねるということは

豊かになるということかもしれない

 

  

2014.12.7