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ボタニカルアート的視点

 

リンゴを描いた際、切った直後のフレッシュ感を出したくて、最初はもう少し白っぽく、維管束(断面にうっすら走るスジ)は2本程度しか描いていませんでした。

 

先生からのアドバイスは、維管束をもっと描いた方がよいということ。

 

維管束とは栄養を運ぶ通路で、リンゴの実が成長するためには不可欠な組織だ。人間でいうと血管のようなもの。つまり、そこを表現しないでは、リンゴの実が

どのようにして大きくなっていくのかを説明できていない

ということなのだろう。

 

 アジサイの表葉の際、私は葉っぱの練習だということで

葉脈を一生懸命観察して描きましたが、

葉の付け根に関しては、切った状態をそのまま描きました。 

 

先生からは、どのように茎とつながっていたかを

きちんと描いた方がよいというアドバイス。 

 

ボタニカルアートを始めるにあたり、準備物の中にルーペがあります。

目視で見える範囲の観察ではなく、ルーペで観察するということです。

 

つまり、自然に見えている状態の植物を描くだけでなく、

要所要所に科学的説明がなされていることが

重要なようです。 

 

ボタニカルアートは科学と芸術の融合と言われますが

感覚的美しさに植物学的正確さが裏付けられていないといけないのでしょう。

 

 

2016.12.12