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絵付けと植物 1

風鈴ブッソウゲ Atelier-Sachic
風鈴ブッソウゲ/葉風 Atelier-Sachic

 

ここ数年はボタニカルアートも始め

植物のことを調べる機会が増え

Sachic-Viewにも色々とご紹介しておりますが

決して植物に詳しいわけでもなかった私が

どんな風に植物のことに興味を持つようになったか

少し、触れておこうと思います。

 

 

絵付けを始めた頃

母が、『花図鑑』という

園芸書のような本を

くれました。

 

ブーゲンビレア 絵付け Atelier-Sachic
ブーゲンビレア/葉風 Atelier-Sachic

お花を描くなら

お花のことを知っておいた方が

良いだろうということだったと思います。

 

その頃の私は

植物を育てたこともなく

お部屋にお花を飾る習慣も

ありませんでした。

 

会社勤めをしながら

絵付けを学んでいたので

週末に絵付けの練習をするのが精いっぱいで

植物から勉強していたら

日が暮れてしまうとすら

思っていたような気がします。

 

生徒時代は先生のお見本があり

先生のように描けるようになりたいと

一生懸命真似ようと頑張っていて

それ以上の心の余裕はありませんでした。

 

それでも、いつか自分のオリジナル作品を

描きたいという気持ちは強く

マスター取得のための作品として

絵付けを始めて7年目、晴れて

南国の植物と風をテーマ(葉風)に

オリジナル作品を制作することにしました。

 

まずは20代に何度か訪れていた竹富島(沖縄)へ

取材もかねて旅行し

いくつかの植物の

写真を撮ってきました。

 

それらの植物の中から

『風鈴ブッソウゲ』と

『ブーゲンビレア』を

題材にすることにしました。

 

家に帰ってから見ても

お花の構造がわかるようにと

いろんな角度から写真を撮っていたはずなのに

実際に写真をもとに

自宅でデッサンしてみると

いろんな不明確な部分が出てきてしまいます。

 

特に風鈴ブッソウゲは

“ 風になびいている感じ ”が

印象的な植物だったため

いろんな角度に揺れているお花を描くには

きちんとした構造を知ることが

必要でした。

 

仕方がないので

隣県の熱帯植物園に行って

構造が不明確だった部分を

再度観察して

またデッサンし直すという風でした。 

 

こんな感じで

必要に迫られながら

私と植物との距離は

じわっ じわっと

近づいていったのです。

 

母がくれた『花図鑑』は

とても真っ当なプレゼントだったことが

今なら、よくわかります。 

 

 

2018.5.18